私のギターを使っている方に、「左手にネックが吸い付くようだ」としばしば褒めて頂きます。ネックの削り方、指板とネックの境目の処理の仕方、指板のRの出し方やその加減、フレット溝の切り方、フレット溝幅とフレットタング幅の関係などこだわっている箇所を挙げるときりがないのですが、今回はフレットのエッジの処理について少しだけ書きます。
具体的には、フレットのエッジを
・指板の端よりもほんの少しだけ内側に入れて、
・半球状に面取り
しています。こうすることで左手への当たり方とても滑らかになります。さらに、空気が乾燥して指板が収縮する時期にフレットのエッジがわずかに飛び出てざらつきを感じることもなくなります。もちろんプレイヤーの方全員が気になる箇所ではないでしょうし楽に早く80点の仕事をする方法もありますが、細部までこだわれることは個人で製作する強みですし、弾き心地は音に直結するので、音作りと同様に大切にしています。