モザイクロゼッタについて多くのご質問を頂きますので、こちらに(現時点での)私の作り方をまとめておきます。
まずはヘリンボーンを作ります。ヘリンボーン(herringbone)とは文字の如くherring(ニシン)のbone(骨)という意味で、魚の骨の形に見えるのでそう呼ばれています。日本では"矢羽"や"杉綾"とも呼ばれます。木工や織物において伝統的なデザインで、ギターにおいてもトーレスやフレタ、フレドリッシュなど多くの名工が採用しています。
突板を重ねて接着します。
断面(木端)はこのようになっています。
スライスします。
幅を切ります(4本分とれる幅で作っていますが、簡単のため写真は２本です。)
２本１組で出来上がりです。
中央に１本線を入れるとアクセントになります。
全体で1.4mmになりました。
さらに装飾的なラインを加えて仮接着します。このときポリエチレンのような難接着性素材の土台を使うと便利です。
次にロゼッタ中央部分のモザイクを作ります。放射状のデザインでまず思い浮かべるのはMatthias Dammannさんかと思いますが、私はRichard Reynosoさんのデザインに影響を受けました。彼は現代において最高峰の美的センスと技術を持つ製作家の１人だと思いますので是非作品をご覧くださいませ。
完成デザインが断面となるような金太郎飴を作ります。
スライスします。
いよいよヘリンボーンと放射状のモザイクを組み合わせて仮接着していきます。ここでもポリエチレンの土台が役立ちます。
表面をならして完成です。
トップ板に完成したロゼッタと同じ幅の溝を掘ります。
完成したロゼッタをトップ板に掘った溝に埋め込み、はみ出た部分を削ります。
完成しました。
ギターが出来上がるとこのような雰囲気になります。
現行のデザインに使っている木材はメイプル、シナ、ボックスウッド、サペリ、グラナディロ、インディアンローズウッド、ウエンジです。
以上、ご覧いただきありがとうございました。
