Ryosuke Kobayashi Guitarsではフレンチポリッシュ塗装で仕上げています。
セラックは塗り重ねること自体が難しく、途方もない手間もかかります。また汗にも反応しやすく、ラッカーやウレタンに比べると非常にデリケートな塗膜です。それでもこの方法を採用しているのは、化学塗料では不可能な「薄い塗膜」を施すことも可能だからです。当然ギターの鳴りに大きく影響してきます。
しかしながら、(音響、値段、見た目、扱いやすさなど、)プレイヤーの優先順位によってベストな塗装は異なるので、どの塗装が良くてどの塗装は悪いという優劣の話ではなくて、それぞれの塗装にはそれぞれの特徴があるとご理解頂ければと思います。
基本的には、
・人間が心地よい環境で管理する
・夏場は汗が乾いてから弾く
・右腕がボディに直接当たらないように布をあてたりアームカバーをする
の3点を守って頂ければ十分かと思います。それでも時間が経てば光沢がなくなっていきますが、それも含めてギターの成長として受け止めて頂ければありがたいです。個人的には、セラックと木が馴染んでいく過程は美しく感じますし、経年変化もとても自然なので木が喜んでいるようにも見えます。
私の場合、基本となるシェラック(シードラック、ブロンズシェラック、プラチナシェラック)に、天然の樹脂(ベンゾエ、マスティック、サンダラック)を加えています。
以上、セラックに対する私の考えでした。お役に立ちましたら幸いです。