私が製作するギターのうち、下のデザインのブリッジの弦の留め方についてお問い合わせを頂きましたので、こちらにまとめておきます。
この記事では6弦を張ります。使用する穴が見やすいようにここでは1~5弦の穴をマスキングテープでふさいでいます。
ちなみに、“トリプルホール”や“18穴”ではなく敢えて“2.5×6穴”と呼んでいるのは、3つの穴のうち1つは貫通していないためです。
この貫通していない穴を"a"、真ん中の少し下に下がった穴を"b"、最後の穴を"c"と呼ぶことにします。"a"は弦の先が止まる穴で、bは弦がサドル(骨棒)に向かう穴です。
弦を張っていきます。
まず、"c"から弦を通して、
弦の先端を"a"に入れます。
弦の先端が"a"から抜けない程度の力で、矢印の方向に引っ張ります。
この時、弦が"a"から抜けないようにするために、指で弦のふくらみを抑えながら引っ張ると良いです。
弦の反対側を持ってきて、
"b"に通します。
"a"と"c"から出ている弦の下側から通します。
"b"から出てきた弦を引っ張ります。
あとは通常通り糸巻きで巻いて完了です。
高音弦にカーボンのような細い弦を張る場合は滑る可能性がありますので、"a"と"c"の間を"b"の弦に1回巻くと安心です。
※もちろん"b"のみを使い、通常ブリッジと同じ使い方もできます。この辺りは
・テンション感
(→実際のテンションつまり弦の張力は変わりませんが、弦とサドルの接点における摩擦力が変化するため、左手で押弦するときと右手で撥弦するときのテンション“感”が変わります。)
・ブレイクアングル
(→弦がサドルにのる角度です。)
によってギターとの相性、弾き手の好みがあります。それらについては後日まとめます。